[アート]プレゼント用コラージュ額
招き猫美術館の学芸員、虫明比斗子さんから、某美術館の館長の退職祝いに贈りたいとのご依頼で、以前作ったコラージュ額を再利用した作品を制作しました。
コラージュ額は、10年以上前に制作したコラージュと額がセットになった作品。コラージュに合わせて、ダンボールで額を作っています。1日だけの展示のために数十枚ほど制作してから、長いこと押し入れの隅で保管していました。
数年前、紙がお好きな比斗子さんにお見せしたところ気に入ってくださり、ダンボールの額に合わせて猫のコラージュを作ってほしいとご依頼いただきました。そうして新たに制作した2枚のコラージュ猫は、2点のダンボール額と共に招き猫美術館に収蔵され、手元には額の無い2枚のコラージュが残りました。
そして今回、比斗子さんは残った2枚のコラージュも気に入ってくださっていて、そのうち1枚を別のダンボール額に組み合わせて、館長への贈り物にしたいとご依頼いただいたのです。
そうして生まれたのがこちらの作品。
何枚もある段ボール額の上に、次々にコラージュをのせながら、どれが合うか比斗子さんと一緒に選んでいきました。選んだ額の留め具は、今回のコラージュより大きいサイズに合わせて作っていたので、ひと工夫必要でした。それで留め具に合わせた台紙を作り、その上にコラージュを貼り付けています。
コラージュ額には名前がついていて、ダンボール額の裏側に墨で描かれています。この段ボール額の元の作品名は「雲の上のレストラン」。その名前を引き継ぐように、新たに作った台紙からやや浮くような形でコラージュを貼り付けました。
比斗子さんの残されたコラージュへの心遣い、そして館長への感謝の気持ちに触れて私も心温まり、頼まれてもいないのに、コラージュ額を納める専用の箱を作ることを思いつきます。温かな気持ちは連鎖しますね。
箱には、私のプライベート作品をまとめたポートフォリオの試し刷りを使ったコラージュを施し、箱を閉じるための布バンドも制作。バンドには、私のロゴを描いた布を縫いとめています。実はこの布のラベルは、昔東京に住んでいた頃に参加したグループ展の際に制作したものの残りです。
いつか使えたらと残していた素材が、一つの作品として生まれ変わる過程は、いつだって楽しく清々しく感じます。このような機会を作ってくださった比斗子さんに感謝です。
2023年春
招き猫美術館
タケシマレイコ
https://reikotakeshima.amebaownd.com
https://note.com/reiko_takeshima/
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